第84回 (12月7日) 電気を帯びるもの(生徒実験)…ギルバード検電器、すべてのものは帯電する

今日はテストを返しました。

ここ連日大変でした。

おととい、22時に問題が出来て、昨日がテストで採点と解答と正答率をコン
ピューターで計算させる。→午後8時
ノート提出の状況を見る。8割の提出状況

そして、今日の予備実験→午前2時→帰宅→午前8時30分学校

2限目テスト返却&解答用紙回収
そして授業です。
今日の授業は「たのしくわかる物理100時間下巻」からです。

そとは雨でした。

そんな中、回転検電器をつかって「どんな物が帯電するか」と言うのをやりま
した。

生徒は「帯電する」というのと「電気を通す」と言うのを混同しているので
金属が帯電し、非金属は帯電しないと予想しています

ではやってみましょう

アクリル板・・・・ティッシュでこすって動いた
ろうそく・・・・・猫毛でこすって動いた
ガラス・・・・・・布きれでこすって動いた
塩ビパイプ・・・・ティッシュでこすって動いた

エポナイト棒・・・・動かない

金属類・・・・・・動かない
(ステンレス板、亜鉛板、銅板)

エポナイト棒が帯電しにくかったのは苦しい展開でしたが
一応ここで、不導体は帯電しやすい
      導体は帯電しにくい???

とまとめました。

そして、本当に導体は帯電しにくいのかと言うことで

空き缶にストローをつけたものにラップフィルムをつけ、むいて検電器に近づ
ける。・・・動く

「導体は帯電したとしても手で持っているから電気が手に流れてしまうんだ。
こうやって手に直接触れなければ帯電するんだよ」

ここで

「すべての物質は帯電する」

とまとめる。では帯電したものを近づけるとどうして検電器は動くのか

じつは、帯電したものと逆の電気が現れて引き寄せられるからなんだ。
すべての物質は原子から出来ていてそれはプラスの原子核とマイナスの電子か
らなる。だからすべての物質は帯電するんだよ。

そうなると液体も帯電するんじゃないかな

そこで、水道で水流を作り、ティッシュでこすった塩化ビニールパイプを近づ
ける。→水流が曲がる

(終わり)


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第85回 (12月8日) 電気振り子(生徒実験)…はく検電器、静電誘導、電気振り子

第86回 (12月9日) 電気を見る…電気盆、電荷保存の法則、ライデンびん(生徒実験)

今は入手困難になっている「ヒューズ型のネオン管」を使った授業で
す。

まず、塩化ビニールパイプをティッシュでこすると本当にマイナスの電気が塩
化ビニールパイプに生じているか。
ネオン管を近付ける。負に帯電。

次に、発泡スチロールを布きれでこする。

部屋を暗くしてみてみる。負に帯電。
では、この発泡スチロールにお菓子のふた(金属)に発泡スチロールのとって
のついたもの(電気盆)を載せる。

電気盆は何の電気を帯びるか。プラス。

ここで、電荷保存の法則についてまとめる。

ライデンビンはライデン大学が由来、フランスの王様の娯楽の話をする。

プラコップライデンビンを作る。

決して、集電弁をさわらないようにと注意し、バンデグラフでライデンビンに
充電

4Wの蛍光灯をつける。

最後に、ラップフィルムとアルミフォイルを重ねて幾重にも巻いたものを取り
出す。9Vの乾電池で充電、クリスタルイヤホンで放電をきく。

(終わり)


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第87回 (12月11日)電気の働く世界を見る…バンデグラフ、誘電分極、電場の観察(生徒実験)

バンデグラフに木綿糸をつけたものを用意する。

バンデグラフを作動、糸が立つ。

この糸にいろんなものを近づけてみよう。

まず、アルミフォイル、これは糸が近づくね。
このわけは前やった静電誘導の原理だ。

では不導体を近付けるとどうなるだろう。

塩化ビニールパイプ、ガラス、紙筒、レンガ等、そこら辺にあるものを近づけ
る。全部吸い付く。

これはなぜだろう。

じつは、これは物質を構成している原子が電気を持っているためなんだ。
誘電分極の説明。

では、誘電分極と静電誘導の違いは何だろう。

違いは静電誘導は導体で起こり電気が完全にわかれると言うこと
   誘電分極は不導体で起こり、電気の偏りが元で起こると言うことなん
   だ。

だから、静電誘導の場合、電気振り子のように電気を別々に分離することが出
来たけど、誘電分極では出来ないんだ。

ところで、このバンデグラフの周り、なんかあやしいよね。なんか電気の力が
及んでいる感じがする。このような雰囲気を「電場」と言うんだ。

電場は真空中でも存在する不思議な空間なんだ。

ではこの空間を見てみよう。

生徒実験
 サラダ油+おがくずに画鋲を入れる。
 塩化ビニールパイプをティッシュでこすって画鋲に近付ける
 おがくずが放射状に拡がる

教科書の図で確認

電気力線の性質について(「たのしくわかる物理100時間」から)

(おわり)


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第88回 (12月14日)電場の強さ…電気力線の性質、逆二乗の法則、電場の強さ、等電位線

電荷の周辺には電場と呼ばれる電気の力が働く空間が存在する。
その力とはどういうものだろうか。

力は電気力線の混み具合によって決まると前やったね。

ではこのさいころを見て欲しい。このさいころの一つの面
(10cm×10cm)に今4本の電気力線があったとしよう。では、これを
距離を2倍にしてみたらどうなるだろう。

(20cm×20cmのさいころを出す)、やはり、電気力線は同じ本数だが
同じ面積で考えると10×10cmの中には1本しか電気力線がない。
(本当は電気力線は放射状に拡がるので球面状で話をしなければならないので
すが、球面の場合モデル化しづらかったので立方体を使いました。厳密に言う
と距離が2倍になってはいないのですが、表面積は4倍になっているので勘弁
してください)

距離を2倍にすると電気力線は1/4倍になるんだ。

つまり、電気力線の本数は距離の二乗に反比例するんだ。

そこで

電場の強さは 定数×電荷/距離^2

で表されるんだ。

そして、電場の中に電荷を置くとその電荷の受ける力は
クーロン力と言って

クーロン力=電荷×電場の強さ

で表されるんだ。

ところで、電場を地形にたとえるとどういう風に表されるだろう。

実は坂道に表されるんだ。

いま、同じ高さで距離が短い坂と距離の長い坂だとどちらが電場が強いだろ
う。

短い坂だね。電場は距離が短いほど大きい。反比例だ。

また、同じ距離でも高い坂と引く井坂ではどちらが電場が強いだろう。

高い坂だね。この高さのことを電位差、または電圧と言うんだ。

だから、電場の強さ=電位差/距離

と言う風にも表されるんだ。

ここで、高さのことを電位差と呼んだけど、地図では同じ高さを結んだ線とし
て等高線があるよね。実は電場の世界も同じで同じ高さ(電圧)を結んだ線を
等電位線と言うんだ。

等電位線を使うとこういった模型を作ることが出来るんだ。(「いきいき物理
わくわく実験」にあったTPシートで作った模型を生徒に見せる)

終わり


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第89回 (12月15日)等電位線を書く(生徒実験)

東京書籍「新編物理1B」p196の「等電位線の観察」をやりました。

方法は以下の通りです

ベニヤ板の上に方眼紙、カーボン紙、導電紙を置く。

導電紙は4つ折りし中央からそれぞれ5cm離れたところに、アルミ箔をつけ
た画鋲をさす。

電源装置で各端子間に直流10Vの電圧をかける。

マイナス端子に電圧計(アナログ)の15V端子を接続し、プラスの端子につ
ないだみの虫クリップつき導線で同じ電圧のところを見つけて強く紙に押しつ
ける。

そして方眼紙に写った点を結んで等電位線を描く

と言うものです。導電紙は使い回しをしました。

その結果、次のような結果が出たので報告します。


アナログ電圧計では同じ電位の場所を見つけるのが難しい。
紙に電極を押さえつける強さによって電位が変わってしまう。
導電紙は何度も使うと、跡が残ってしまい、性能が悪くなる。
プラスの端子の周辺が8Vだったり、7Vだったりして班毎で異なった
マイナスの端子の周辺は2Vまたは3Vの電位で1Vの電位は探せなかった。
電位を1Vずつ探していくのは難しいようだ、
この実験は何をやっているものなのか生徒にはわからず何をやっていいかわか
らないと言うクラスが出た。
チェックしおわってから等電位線を描こうと思っても、どれが同じ電圧なのか
わからず線が結べなかった。

これから、以下の点を改善していく必要を感じた。
まず、デジタルテスターを用いるべきだと言うこと。
電源は電源装置ではなく簡便な電源、例えば006P(9V)の様なものを使
うといいかも
導電紙の代わりになるものは何かないか。(使い捨てできる低コストのもの)
電極を買える(電極の差し方により等電位線が変わるらしい)
目に見えない電場の立体感を見せる方法はないか?


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第90回 (12月16日)フランクリン…避雷針、ファラデーのかご、13の徳目

第91回 (12月17日)電気を蓄える(生徒実験)…・コンデンサーの電気を蓄える能力

1 1Fのコンデンサーと豆電球と乾電池一個をつなぐ
    一瞬ついて消える

2 乾電池のプラグをとり短絡させる。
    一瞬ついて消える

1を充電 2を放電という

3 1Fのコンデンサーと豆電球と乾電池一個をつなぎ充電させた後、乾電池
のプラグを+ー入れ替える。
  明るくつき、また消える

 これはどうしてかな???
  コンデンサーが電池の役割をして電気を豆電球に多く流したんだ。
 そして、逆向きに充電されるとまた電流が流れなくなって消えてしまうん
だ。

ではどれだけ、充電されただろう。また短絡させる。
2と同じ明るさだ。
 つまり乾電池一個の場合、蓄えられる電気の量は限られているようだ。

では乾電池を2個にして電圧を二倍にしよう。まず、充電。今度は明るく長く
光っているね。

放電。これも明るく長く光っている。つまり、蓄えられる電気の量は電圧が大
きくなるほど大きくなる。比例の関係があるんだ。

では、コンデンサーの性能とはどういう関係があるだろうか

「たのしくわかる物理実験事典」東京書籍にある。コンデンサー実験器を使
う。

47マイクロF、220マイクロF 470マイクロF 1000マイクロF
それぞれを006Pでつなぎ充電後、高輝度発光ダイオードで放電。

発光時間を比べる。電気容量が大きいほど長く光る。

これから、
 蓄える電気の量=電気容量×電圧
といえる。


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第92回 (12月21日)電気を蓄える(生徒実験)…・コンデンサーの接続の仕方と電気容量

乾電池2個と1Fのコンデンサーと電流計と豆電球をつなぐ

放電させる。300mAから150mAになるまでの時間を測定する。
 8秒

コンデンサー1Fを並列に2個接続する。
充電後、放電
 16秒
どうやら、並列に接続すると蓄える電気の量は多くなるようだ。

同様にコンデンサー1F2個を直列に接続する。
充電後、放電
 4秒
どうやら、直列につなぐと蓄える電気の量は小さくなるようだ。

合成電気容量の式を紹介

終わってみて
 どこをどうやって接続するかわからない班が多かった。一班一班回って歩い
たので進行は遅かったです。

 豆電球がくせ者で光ったり光らなかったりしました。これは発光ダイオード
で代替えした方がいいかも知れない。しかし、発光ダイオードでは方向がある
から接続に面倒が生じるかも。

コンデンサーの充電時と放電時で電流計のプラグを逆にするというのが出来な
い生徒が多かったです。

マイナスの方向に電流計が振り切れることもあったりしました。

負の電流が流れても測定できるような電流計だと、充電と放電では逆方向に電
流が流れていくというのがみれていいかも知れない。

負の表示が出来るデジタル電流計かなんかあるといいなあ。(デジタルテス
ターは電圧計だから、電流計となると少し高額かな?)

来年以降も、物理を担当できて自分で使うんだったら秋葉原で班の分買ってき
てしまうところだけれど、来年はわからないからかえないのでした。


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