導入:以前、化学カイロをつくったよね。
鉄粉に炭素粉と食塩水を加えると熱く
なるやつ。あれは、鉄が酸素と結びつい
て起こったんだよね。
酸素と結びつく反応は燃焼と前行ったけど、
酸化という風にも言うんだ。
今日からこの酸化について詳しく見てみよう。
今日は危険なこともあるからよく聞いててね。
酸素と結びついてこの鉄(鉄粉をみせる)、
赤い酸化鉄(これもサンプルをみせる)にな るんだ。
こんな酸化鉄になってしまうともう
熱くなくなって、カイロはかたくなってしま
うんだけど、このあかくなってしまった酸化
鉄から鉄を取り出す方法はないのだろうか。
発展:じつは、鉄というのは酸化鉄として転がっているのが普通なんだ。だか ら、工業的にこの赤い酸化鉄から黒い鉄を作り出すのは珍しい反応ではないん だ。そしてこれには2種類の方法があるんだ。 方法1:炭素を使って酸素をとる。 以前、青銅鏡を作ったよね。あのとき、スズをハンドバーナーで熱したんだ けど普通に金属を熱すると酸素と結びついて青銅なんて出来ないんだよ。 でもここで豆炭を使うと青銅が熱せられて酸素と結びつくよりも先に炭素が その肩代わりをしてくれる。また。青銅がたとえ、酸素と結びついてもその酸 素を奪ってしまうことが出来るんだよ。 ここで、この赤い酸化鉄を豆炭の上で熱して炭素は酸素を奪う力が大きいと 示したいんだけど、ハンドバーナーの日では温度が低いので低い温度でも確か められる酸化鉛を使ってみよう。 ここで、豆炭に青銅鏡の時と同じようにヤスリでくりぬいて反応容器を造 る。そこに酸化鉛約4.46g(0.01モル)をいれ、薬さじの背で表面を平らにす る。これをハンドバーナーで加熱。 5分ぐらいすると鉛野津部が生じる。気の長い反応のため、生徒の中には飽き てくる子が出てきてしまった。酸化鉛の量が多かったかな??? 鉛の粒が出てきたら、硯の上にその粒を流す。すぐに固まり、直径1cmぐ らいの鉛の板がとれる。 ここで、これが金属の鉛であることを示すためにブーブーテスター(ブザー と電地で作ったテスター)で鉛を触れる。 「ブー」と鳴って生徒にどよめき。(実は今までこのテスターは使ったことは なかったのです。いつも電球を使った簡易テスターですからね。変化があった のかもしれない) この反応、決して、酸化鉛が熱で分解して鉛と酸素にわかれたというわけでは ないんだ。その証拠に、反応炉の外にこぼれた酸化鉛は熱せられても変化しな かっただろ。(黄色くなったけど)
これは酸化鉛が炭素と反応して鉛と二酸化炭素が出来るんだ。 この炭素、酸素と結びついているから酸化だよね。 ではこの酸化鉛はどうだろう。 酸化鉛は酸素を与えて鉛が出来ているよね。このように「あげる」というの は還元って言うんだ。よく、新宿のカメラ屋とかで○%還元とかやっているだ ろ。あれは○%ポイントがもらえる。つまり、カメラ屋はポイントをあげてい るから還元って言うんだ。このように酸化と還元というのは同時に起こって射 るんだ。 そして、この炭素、酸化鉛を還元させているから還元剤と言うんだ。 それでは、他に鉄から酸素をとる方法を考えてみよう。(30分経過) 方法2:鉄よりも酸素と結びつきやすい金属と反応させる。 ここでようやく今日の主題のテルミット反応、実は鉄よりもアルミニウムと言 う金属の方が酸素と結びつきやすいんだ。だから酸化鉄とアルミニウム(これ がテルミット)を混ぜたもので鉄を採る方法があるんだ。 ではこの反応を酸化鉛と炭素と同じように何が酸化されているか何が還元され ているか。そして還元剤は何か考えてみよう。(5分) 生徒実験:テルミット反応
ちょうど、マグネシウムリボンに点火させるところでチャイムが鳴ってしまい ました。 生徒は久しぶりの実験(約1ヶ月ぶり)と言うことで手際が少し悪い気がしま した。 授業が終わって 今回の実験、少し、時間が足りなかったせいかあわただしかった気もします。 また、反応を直視してしまった生徒が多くいて、目がおかしくなったといって くる子が多かったです。 反応は直視しては行けないと言ってはおいたのですが、他の班でやっていた 閃光を見てしまうと言うこともありなかなか徹底させるのは難しいです。 テストが終わったと言うことで生徒も気が抜けているようで、危険なこのよう な実験はより注意が必要だと感じました。 今回の反応は、マグネシウムリボンをきちんと反応の前に紙ヤスリで磨いた こともあり、反応はどの班もスムーズに行きました。しかし、反応が激しすぎ て怖がる子も多くいました。やはり、ろ紙が燃えてしまうのはどうにかならな いものなのかな。 出来たスラグはころころと丸いところといくつかに分裂する班がありました。 スラグは磁石につくのですが、ころころと丸いものは大きいせいかなかなかつ きにくい感じがしました。 もう少し説明を短くしてもいいかもしれない。
導入:今日は昨日にもまして、危険な実験なんだ。というのも反応をうまくやらないと爆発してしまうらしいんだ。
その説明には射る前にここで化学マジックをみせよう。
ここに、フラスコに入った黄色い液体があります。外から手が加わらないよ うにゴム栓で栓がしてあります。この液を振ると・・・
あれ・・・色が変わってきました。何色でしょう。そう赤ですね。
さて、これだけだったら今までもいろいろ色が変わるものがあったけどこれ
からです。
さらにこの溶液を激しく振ると紫になって・・・青になりました。
生徒からどよめきが。
振ったのだから色が変わったんだ。とおもうだろ。ところが、この液を振るの
をやめて、ここにおいてみよう。
すると、青色の液が赤にそして黄色に戻る。
生徒から喝采が・・・
この液、また振ると赤そして、青、置くとまた戻る。
なんか不思議な液体だね。まるで生きているみたいな液体。
これの種明かしをしよう。実はこの中には酸素と結びつくと赤くなる色素のサ
フラニンTと青くなる色素メチレンブルーが入っているんだ。
でも、色素が入っているだけならその色になっても元に戻るなんて起こらない
はずだよね。
では元に戻ると言うことはどういうことなんだろう。
(生徒に聞くと、酸素が勝手にはずれてしまうと答えた。)
実はこの結びついた酸素はそう簡単には離れないんだよ。実は、この酸素を離
れさせる物質が含まれているんだ。
それが今日の主役、ブドウ糖
このブドウ糖が色素から酸素を奪い結びつくんだ。酸素と結びつくんだから
これも酸化だね。
ではどうやって、色素についた酸素をとってしまったんだろう。
実はブドウ糖って電子を多く持っていて、相手にあげる性質があるんだ。電子つまりマイナスの電気をあげると言うことは自分はプラスが増える。酸化とい
うのは自分のプラスが増えることなんだ。
そして、色素にとってみれば電子を受け取ることになるんだけど。電子を受け取ると言うことはマイナスを受け取ることだよね。昨日、還元の説明の時に還
元とは酸素を与えるつまりあげるって言ったよね。あげると言うことは自分に残ったのは借金、ということで借金を背負うというのはマイナスを受け取ると
同じことでしょ。還元とはマイナスが増えることなんだ。
これが、この反応の仕組みなんだよね。(図で説明)
そして、このように相手を還元させる物質を還元剤と言うから。ブドウ糖は還元剤と言うことになるんだ。
今日はブドウ糖の還元能力を使って、銀鏡反応と屋ばれている反応をやろうと思う。(20分経過)
まず、銀イオンを含む駅にアルカリの液を入れると、銀イオンと水酸化物イオンが反応して水酸化銀を生成するんだ。しかし、この水酸化銀は不安定で2
つの水酸化銀から水がとれて酸化銀として沈殿するんだ。
まずはこれを確かめて欲しい。
そして、このアルカリ性にした液に今度はアンモニア水を加えていくと今度はこの酸化銀が作為音と呼ばれる物質になって溶けるんだ。このとき、アンモ
ニアを少し多めに加えて欲しいんだ。それは、ここで結晶が出来やすい状態だと雷銀と呼ばれる爆発静の物質が出来るからなんだ。
こうして、アンモニア性酸銀水溶液を作る。この液を別名トレンス試薬と言って還元剤と結びつくと銀イオンが電子を受け取って銀が現れる仕組みなん
だ。
ここで、硝酸銀は手や服につけないように扱うことに注意させ、生徒実験に入りました。
【準備】
試験管3本、ゴム栓、パット、熱水
約1.7%硝酸銀水溶液
5%ブドウ糖水溶液
1mol/l 塩酸
1mol/ 水酸化ナトリウム水溶液
6mol/l アンモニア水溶液をそれぞれ点眼ビンの中に入れておく
【手順】
1 まず、きれいな試験管を中性洗剤できれいに洗います。
2 その試験管に約1.7%硝酸銀水溶液(1.7gの硝酸銀を水100mlにとか
し、褐色ビンに入れてある)を駒込ピペットで5mlとる。
3 別の試験管に5%ブドウ糖水溶液を5mlはかりとっておく。
4 点眼ビンに入っている1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を2の試験管に1〜2
滴入れ変化を見る。
→ 水酸化銀(酸化銀)の黒色沈殿
5 さらに数滴加えてみる。
6 点眼ビンに入っている6MOL/Lアンモニア水を滴下する。
→ アンモニア錯イオンを生じ沈殿が溶ける。
(これが俗に言う トレンス試薬ですね。)
7 50度から60度の水をパットに入れておく。
8 試験管にゴム栓をし、軽く振り溶液が試験管の内壁のすべてに行き渡るよ
うにする。
9 ゴム栓をはずし、ブドウ糖水溶液を静かに流し込む。
10 ゴム栓をし、軽く振り混ぜる。
(注意) このゴム栓はかなりきつくいれないと、お湯に入れたとき内圧が上
昇してゴム栓がはずれてしまうことがあります。
11 温水の中に試験管を横にして入れる。
(このとき、試験管をしつように揺らしてはいけない。またトレンス試薬
とブドウ糖を反応させたらすぐに行わなければならない)
この温水は人肌ぐらいがいいらしい。(37度くらい)
12 液が黄色から茶色に変わり、黒色に変わっていく。
13 銀鏡が出来始めたら軽く回転させてみる。
14 5分ほどで銀鏡が完成する。
15 中の溶液を別の試験管に入れ、1M塩酸を加えて変化を見る。
→ 塩化銀の白色沈殿を起こし、アンモニアも中和され、廃液となる。
これを回収する。
16 銀鏡した試験管の中を水洗いして、平常点として提出
5分前に塩化銀の生成まで、たどり着き、試験管の洗浄まで時間内に行きまし
た。
授業が終わって
まだすこし、説明の時間が長すぎるような気がする。生徒実験は余裕を持って
30分はやらせたいので20分経過のところを15分以内に他のクラスでは抑え
たいところです。
酸化還元の3時間目と言うことで、「金属のさびやすさ」
をテーマに行いました。
導入:300mlビーカーに塩化銅(II)の結晶7.0g(0.04モル)はかりとってある。
「ここに塩化銅の結晶がある。色は何色かな」
生徒「黄緑」「緑」
「そう緑っぽいね。これに水を加えるとどうなるかな。」
といいつつ、100mlビーカーにとってある水100ml加えて、結晶をとかす。
「さて何色になったかな。」
生徒「青だー」
「そう青色になったね。南国の空の色みたいだね。実はこれは銅の色なんだ。では、この溶液に塩酸を加えるとどうなるだろう。」
生徒「・・・多分元に戻るんじゃない」
そういう声を聞きつつ、50mlビーカーにとってある6MHClを静かに加える。すると
生徒「あエメラルドッグリーンだ。南の島の海の色みたい」
生徒「おいしそう」
色が次から次へと変わる不思議な液体
「では、ここにアルミフォイルで折った鶴がある。この鶴をこの中に入れるとどうなるかな」
生徒「跳ぶ」「溶ける」
この鶴は25cm*25cmにアルミフォイルを切り逐ったもの(約2.3
gで0.1モル)を入れる。そして、その場から離れる。
すると、始め、シューシューと音がして、そのうち黙々と白煙が・・・
生徒「おい何で離れるんだ。爆発するのか・・・」
生徒「あっ鶴が溶けてく」
生徒「なんか汚いものが出てきた。」
盛んに溶液が沸騰し、水蒸気、水素、塩化水素がもくもくと煙になってでてきました。
そして、2分後、鶴の形が跡形もなくなり、溶液に赤いものが。
「さてこの赤いものはなんだろう」
「じつはこの赤いのは銅なんだ。」
生徒「アルミはっどこへ行ったの???}
「実はアルミはこの溶液に溶けてしまったのさ。そして、銅が出てきたんだ。液の色が無色になっただろ。このように考えると銅とアルミではアルミの方がが説けやすいということがわかるね。金属によってこういうように溶け易さが違うんだ。今日は、金属の溶け易さを調べてみよう。」
(10分経過)
ここで、金属樹の実験に移る。方法は 以下の通り。
啓林館の化学1Aの「やってみよう」にあるイオン化傾向に関する実験から
1M硝酸銀水溶液5mlを試験管に入れらせんに巻いた銅線を糸でつり下げる
1M酢酸鉛(U)水溶液5mlを試験管に入れらせんを巻いた銅線を糸でつり下げる
1M酢酸鉛(U)水溶液5mlを試験管に入れ、亜鉛板を糸でつり下げる。
1M硫酸銅(U)水溶液5mlを試験管に入れ、鉄釘を入れる
1M硫酸亜鉛(U)水溶液5mlを試験管に入れ、鉄釘を入れる。
ここで糸でつり下げる方法は、助手の先生が数年前の化学ではこのようにやっ たと言うのでそれに従った。しかし、マッチで試験管の口に橋わたしをして糸 で吊したのですが糸が長くて金属が試験管の底についてしまう班が多く出た。 そこで、マッチ棒に糸を巻き付け、セロテープで留める方法を取り、うまくつ るすようにした。
亜鉛板を出したり入れたりした班が多く、なかなか鉛樹が起 こりにくかった。銀樹は割合早くできた。
この実験でのポイントは無色透明の各試薬を間違えずにはかり取れるかにあります
そこで、硝酸銀水溶液には白、酢酸鉛には赤、硫酸銅には青、硫酸亜鉛には黄色のビニールテープをピペットと試薬の入ったペットボトルに貼り付けておきました。
私のところでは、500mlペットボトル(ジュースとかの空き容器)を試薬入れとして使っています。試薬ビンよりも扱いやすいので重宝しています。
生徒は、試薬を覚えるというより、色で試薬をとるという形になりました。(ちょっと過保護すぎるでしょうか)
生徒にはまだ、コンタミネーションの怖さがわからないみたいなのが残念です。
この実験で一番時間がかかったのは、銅や亜鉛、鉄釘とマッチを意図に結びつける作業でした。生徒は不器用でなかなか結べません。
中にはなぜ、マッチをつけるのかわからない子も・・・(亜鉛や銅が試験管の底についてしまっている)
実験の注意を聞いていないことの現れなので、この責任は私にあるでしょう。
各物質を試験管につり下げて反応を見る。一番最初に反応が出てきたのは硝酸銀にらせんに巻いた導線を入れたところでした。銀樹がきれいに出来始め、溶液が青色っぽくなっていきます。
そして、硫酸銅に釘を入れたところも、釘を引き上げると赤いものがついていました。せいとは、「これはさびだ」
といっていましたが、銅であることを確認しました。
亜鉛の表面にはきらきらとした鉛がついていました。
酢酸鉛と導線、硫酸亜鉛と鉄釘は反応していないところから次のような表をまとめさせました。
溶けやすい金属>溶けにくい金属 (反応した金属) (反応しなかった金属) 銅と硝酸銀 銅 > (銀) 酢酸鉛と銅 (鉛) > 銅 酢酸鉛と亜鉛 亜鉛 > (鉛) 硫酸銅と鉄 鉄 > (銅) 硫酸亜鉛と鉄 (亜鉛) > 鉄 ( )内は溶液 この表はすんなりと埋まりました。 そこでここで、イオン化列を示す。 貸そうかな・・・ という語呂合わせもかく。 ここでチャイムが鳴る。 反応はまだ未反応ということで、静かに試験管たてごと各試験管を班ごとに集めて終了 授業が終わって 駒込ピペットの使い方、試薬の取り扱い方とうは問題なかったのですが、意図を結ぶという、化学から離れた部分で時間を食ってしまったのは計算違いだった。 鉛樹が成長しない班がほとんど(成長したのが今のところ一班だけ) 時間をおけばとも思うのですが、なぜ、うまくいかないのでしょうか。 うまくいくのと行かないところの違いがよくわからないのでした。