第74回 (11月11日)ガラスに電気が流れるか(生徒実験)・・・導 体と不導体、ガラスを加熱

11月に入り、電気に入りました。

テーマ「ガラスに電気は流れるか」

さて、ここにコンセントと白熱電球と導通テスター棒をつけた装置がある。
この装置で、どんなものが電気が流れるか調べてみよう。

まず10円玉、これは  「ピカ」 電気が流れた。
次に1円玉  これは  「ピカ」 電気が流れた。
次に発泡スチロール、ゴム、ガラス、割り箸 うーん 電気が流れない。
つづいて水 
生徒「水は電気流すよ。」
 あれ、流れませんね。どうしてでしょう。
続いて、空気、流れない。

ここで、机の上にあるものを片っ端から調べてみる。

ここに硫酸銅水溶液がある。これは流れた。

ではこれから、電気の流れるものと流れないものの特徴は何だろう。

10円玉も1円玉も金属だね。どうやら金属は電気を流すらしい。
他に硫酸銅水溶液、これは化学の時にやったね。電解質溶液だ。これは、水溶
液の中でイオンにわかれるために電気が流れるんだ。

さて、このように、電気の流れるもののことを導体
         電気の流れないものを不導体というんだ。

ところで、いまこうやって導体と不導体に分けたけど、この不導体は本当に電
気を通さないんだろうか。

ここに誘導コイルがある。

これは大きな電圧を発生させることの出来る装置なんだ。これにスイッチを入
れると火花が散ったね。(部屋を暗くする)

生徒「先生、そこに手を入れたらどうなるの」(あぶないだろう)

このように大きな電圧を加えると電気の通らない空気中でも電気は通るんだ。

この電圧というのは電気の流れる勢いなんだ。この勢いが大きいと電気が通る
と言うことなんだ。

ではガラスはどうやれば電気が流れるかな。

生徒実験

 ガラス棒、電極、白熱電球、電灯線を接続、ガラス棒を熱する。
 ガラスが熔解すると同時に電気が流れる。

どうやら、ガラスも高温にしてやると、中の電気を持った粒子が動けるように
なって電気が流れるらしい。

こう考えると、導体、不導体の分け方は絶対的なものでないといえるね。

ここで、電流を定義しよう。

電流とは1秒間にどれだけの電気が流れたかで決まるんだ。

電流の単位はアンペアだけど、この1アンペアは1秒間に1クーロン(クーロ
ンは電気量の単位)流れた量なんだ。

授業が終わって
導体と不導体については小学生でも知っている話かも知れません。しかし、雷
が発生したとき、金属を外せば大丈夫とか言う迷信(?)が信じられているの
でそれに対抗してみました。雷は電圧が大きいので、金属を選んで落ちるより
は高いものにめがけて落ちるというのが正解と言うことを示したかったのです
が生徒には伝わったかな?


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第75回 (11月12日)オームの法則(生徒実験)・・・可変抵抗器を 使い、抵抗、電圧と電流の関係

テーマ「抵抗と電流と電圧の関係」

まず、今日は初めに電流計の使い方と読みとり方をやろう。

 接続の仕方、電流計は必ず、回路の中に直列につなぐ。直列というのは枝分
かれさせないで接続させる方法なんだ。

 そして、赤い端子はプラスに黒い端子はマイナスにつなぐんだ。
 黒い端子のところに書いてある数字がその端子にマイナスをつないだときの
最大即低電流を示しているんだ。

ここで、模造紙に書いた電流計の目盛り表示板を使って目盛りの読み方の練習

次に、電気回路の記号、今日は抵抗を使うけど、抵抗の中でも抵抗の値を変え
られる可変抵抗器を使う。

次に電池、電池は長い棒がプラスで短い棒がマイナスね。

抵抗の大きさと電流にはどんな関係があるのだろうか。みんなで実験して確か
めてみよう。

まず、赤いコードを出して、これを電池ボックスの赤のターミナル(+)に接
続してください。

つぎに、その赤のコードをすべり抵抗器の二個端子がある方のどちらでもいい
から接続してね。ここで、すべり抵抗器が30オームになっているのを確認し
てね。

続いてまた赤いコードを出して、これもすべり抵抗器の二個端子がついている
方のもう一方につけてね。

そして、一方を電流計の赤い端子につなぐ。

次に黒いコードを出してね。

この黒いコードを電流計の500mAの端子につなぎ、電池1個につなぐ。

いま、電流計の値はいくつかな。50mAだね。

では、すべり抵抗器を25オーム、20オーム、15オーム、10オーム、5
オームに変えて電流を見てみよう。

次に今度は電池を2個接続させた場合も同様に測定しよう。

測定し終わったかな。

では、今度は、これをグラフに表してみよう。

A4の方眼用紙を使う。縦に使い、縦軸5cm毎で100mA区切り
                横軸5cm毎で10オーム区切り

点をグラフ上に書き、なめらかな曲線で結ぶ。

グラフは反比例のグラフがかける。ここから電流は抵抗に反比例する。

電池2個の曲線が電池1個の曲線の二倍になっている。ここから、電流は電圧
に比例する

これをオームの法則と言うんだ。(終わり)

授業が終わって
 電池は単一を使用、クロコードを差し替えるだけで電池1個と2個の場合を
使い分けられるようにした。
 電池の内部抵抗があるせいなのか実測値はばらつきがありました。

 30オームと25オームの電流値が同じ班がいくつか出てしまいました。
 グラフ化するとそれなりの反比例のグラフになりますが、値から反比例を導
くのは難しいかも知れません。

 電流計につけるコードを間違えないようにコードを色分けしました。(コー
ドを大量に用意するのは大変でした。すべてみの虫クリップ付きでただ挟むだ
けにしました)


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第76回 (11月16日)抵抗の接続(生徒実験)・・・直列と並列接続で 電流の流れやすさを調べる

今日のテーマは「抵抗の接続の仕方と電流の関係」

今日もみんなで回路をくみ立てながら考えよう。 

まず、電池2個と30オームの抵抗と電流計をつなげてみよう。

電流計の値は90mA

次に抵抗を2個直列にしてみよう。

電流計の値は45mA

電流の流れは2倍流れにくくなっているから抵抗は2倍になっていると考えら
れるね。

次は抵抗2個を並列にしてみよう。

電流計の値は180mA

電流の流れ易さは2倍になった。と言うことは抵抗は半分になっていると考え
られるね。

ここで、この回路を水流ポンプモデルで置き換えよう

水流ポンプは水を汲み上げる電池の役割
水の流れは電流
細い管は抵抗
電流計はこの水の流れを測定する装置としよう。

ここで、今までやってきた3つの回路について水流ポンプモデルであらわして
みる。

ここで、抵抗が直列に接続したものは細い勘が長くなっているものと考えるこ
とが出来るね。

だから、合成抵抗は単純に足したものになるんだ。

では抵抗を並列に接続したものは細い勘が太くなったものと考えられるんだ。
太くなると水が流れやすくなるから抵抗の値は小さくなるんだ。

この合成抵抗は次の式のようになるんだ。

      抵抗の積
合成抵抗=-------------
      抵抗の和

これで、30オームを並列に接続すると15オームとなるね。

授業が終わって
回路図を演示するより生徒が自分で組み立てた方がわかりやすいのではと思い
やってみました。しかし、ただ言われたとおり組み立てたという感じで、これ
が直列でこれが並列という感じが伝わらなかったかも知れません。

水流ポンプモデルを板書しただけでは2次元の世界なのでまだ、ピンと来ない
生徒が多かったです。特に並列で、太い管になるというのは認識していない生
徒が多かった。水流ポンプをモデルで実際示したいものです。


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第77回 (11月18日)抵抗が生じるわけ…流星から抵抗、導体紙の長 さと太さ(生徒実験)

昨夜から今朝方まで、流星を観測していたらどうやら風邪ひいたみたいです。
(睡眠3時間)
書き込むのがつらいです。

昨日の午後ぐらいからのどが痛くて「風邪ひいたかなぁ」と思っていたので、
流星を見てる場合ではなかったんです。しかし、授業に使えるかもとビデオカ
メラを持ってがんばりました。(暗すぎてビデオに撮れなかった)

街の明かりが明るくて10個ぐらいしか観測できませんでした。(同僚は60
個数えたらしい)

そこで、朝のワイドショーの特集を録画して生徒に見せました。

生徒も結構、朝早くに見てたみたいです。(それで今日早退が多いというのも
問題ですが)

授業のつかみはOKでした。

なぜ、流星が見えるか?

大気圏に突入した隕石は空気抵抗を受ける。大気との摩擦で熱が発生する。

抵抗の話とジュール熱の話

抵抗は物質によって決まる→抵抗率→温度によって決まる

生徒実験
 導体紙(2×4cm 2×8cm 2×12cm 4×4cm 4×8c
m、4×12cm)をクリップにつなぐ。006P(9V)、直流電流計をつ
なぎ、電流値を見る。
        長さ
 R=抵抗率×------------
        断面積

を導く。

授業終わり

第78回 (11月19日)電流の概念(コンピューターでシミュレーショ ン)

第79回 (11月20日)たこ足は危険・・・キルヒホッフの法則

テーマ「たこ足は危険」


導入:そう、たこの足って危険なんだよ。海の神秘で海には大だこがいてその
足が・・・

そんな話ではなくて、今日はたこ足配線はなぜ危険かについて考えよう。

まず、ここにスライダックと言って、電圧を0から130Vまで買えられる装
置がある。これと交流電流計と白熱電球を直列につなごう。

では、電圧を大きくしてみよう。電圧を大きくしていくと電球は明るくなって
いったね。そして、電流計はと言うと、だんだん大きくなって行ってる。

では、ここで問題だ。電球が明るくついたのは電圧を大きくしたためだろう
か。それとも電流が大きくなったためだろうか?

それを考えるために次の回路を考えてみよう。

豆電球がある。この豆電球とすべり抵抗器と電流計をつなごう。

今、すべり抵抗器を30オームにすると電流は80mA流れているけど豆電球
はつかないね。実は抵抗が大きくなった分、電流が小さくなるから豆電球はつ
かないんだ。

では、この抵抗を3オームにしてみよう。今度は豆電球がついたね、そして電
流計は1Aを指している。つまり、電流が大きくなると電球はつくと言うこと
が言える。

では、次に、このすべり抵抗器と豆電球を並列につなごう。

抵抗が30オームの時は今度は豆電球の電気が明るいね。
抵抗を3オームにすると今度は電球が暗くなった。

さっきとは逆だ。なぜだろう。

これを説明するのにキルヒホッフの法則があるんだ。

キルヒホッフの第一法則
 分岐点で流れ込む電流と流れ出る電流は等しい

これが関係しているんだ。つまり、直列回路では分岐点がないからどこの点で
も電流の大きさは同じだけれど、並列回路では分岐点で電流がわかれてしまう
んだ。

30オームの時、抵抗が大きいから、こちらには電流が流れにくくて豆電球の
方に電流が流れるだから明るく光るんだけれど、抵抗を小さくすると今度は抵
抗の方に電流が多く流れていってしまうから電球は暗くなってしまうんだ。

では家庭の配線は直列か並列かどちらだろうか。

ここに100Wと40Wの電球がある。

これを直列につないで電気を流すとどちらが明るくつくだろう。

40Wのほうだね。これはなぜか。直列だから同じ電流が流れているのになぜ
違いがでたか。

ここで、40Wと100Wの電球のそれぞれの電圧を測ってみよう。

40Wが85V、100Wが15V、どうやら電圧が違うみたいだ。この二つ
の電圧を足してみるとコンセントの電圧に等しいね。

このように、電圧効果の和が起電力に等しいという法則をキルヒホッフの第二
法則と言うんだ。

(終わり)

授業が終わって
全然たこ足配線の話まで行きませんでした。そこで、次の時間はこの話の続き
です。


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第80回 (11月25日)たこ足は危険・・・ジュール熱、直流と交流、 整流ダイオード(生徒実験)

テーマ「たこ足は危険(2)」

ここに100Wの電球と40Wの電球がある。

これを直列につないでみよう。どちらが明るくつくかな。

接続してみよう。

40Wの方が明るくついたね。これはなぜだろう。電流は二つとも同じ大きさ
で流れていると言うことは電流の大きさではなくて他に明るさの原因があるは
ずだ。

そこで、テスターで40Wの電球と100Wの電球の間の電圧降下を測ってみ
よう。

40W・・・・86.5V
100W・・・16.5V

電源(起電力)は103Vとと言うことは、同じ電流でも電圧降下が大きいほ
ど明るいらしい。

次に電球を並列につないでみよう。

今度は100Wの電球の方が明るいね。これはどういうことだろう。
この二つの電球は同じ電位差で光っていることになる。

では何が違うか。

明るく光っていると言うことは100Wの電球の方が大きな電流が流れている
と考えられる。つまり、電流が大きいほど電球は明るいということだ。

ここで、電球のPower(電力)を考えてみよう。

電力Pは電圧が大きくなるほど大きくなり、電流が大きくなるほど大きくなる
から

 P=電圧×電流

単位は 「W」ワットであらわすんだ。Wの大きさが大きいほどパワーが大き
いと言うことになる。

 この式から
       P
  電流=--------------
      電圧

であらわされる。これを使うと100Wの電球に100Vの電圧をかけたとき
そこには1Aの電流が、40Wの電球では0.4Aの電流が流れていることに
なる。

つまり、コンセントには1+0.4=1.4Aの電流が流れていることになる。

このように並列に接続していくとコンセントに流れ込む電流は大きくなるん
だ。では、コンセントに流れる電流が大きくなるとどういうことになるだろ
う。

ここに銅線にワニグチクリップをつけたものがある。これにシャーペンの芯を
つけて、300ml丸底フラスコにつなぐ。

丸底フラスコ内の空気を真空ポンプで抜きながらスライダックでシャーペンの
芯に静かに電圧をかけていく。

はじめ5Vかけると油脂が燃え上がり、フラスコ内が曇る(真空ポンプで脱気
しているのですぐおさまる)

そのあと電圧を徐々に上げる10Vで赤熱したのを確認したら20Vまであげ
る。黄色に輝く。

これが、エジソン電球だ。電圧をかけて電流が多く流れると、このように熱を
持ってしまうらしい。

ここで、元の並列回路に戻ろう。並列回路では電気器具をつなぐほどコンセン
トに大きな電流が流れる。

電流が流れると熱が発生する。だから、たこ足配線にするとコンセントが発熱
して、火事になる可能性もあるんだ。だから危険なんだよ。

(おわり)


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