ゾウリムシの観察

 ゾウリムシは 肉眼で見ることが出来る 単細胞生物である。

しかし、顕微鏡で観察するとなるとあまりにも運動性が大きくてすぐに視野からいなくなってしまう厄介なものである。
この運動を止める方法として、塩化ニッケルで麻酔する方法やエタノールで繊毛を取ってしまう方法などあるが、濃度を間違えるとゾウリムシを殺しかねない。
そこで簡便な方法として、寒天で動きを弱めるという方法をやってみた。 (本校にはメチルセルロースはない。エチレングリコールはゾウリムシに対して毒性があるとされるので用いなかった)

 寒天は0.2gをビーカーに入れ、蒸留水を20mlを沸騰させ溶解させた。
冷えたところで、スライドガラスに1滴たらす。

固まったところで、ゾウリムシを含む液を1滴たらす。
カバーガラスをのせる。

接眼レンズ10倍、対物レンズ10倍でピントを合わせると動きが少し鈍くなった ゾウリムシを見ることが出来る。
鈍くなったといっても素早く回転していたりする。

ここで観察のポイント
1 ゾウリムシは草履のように平たくなく立体である。
2 細胞口などくぼんでいるところがはっきりわかる。
3 ゾウリムシの進行方向を確認する

カバーグラスを少し軽く上から押すとゾウリムシがさらに寒天の中にうずまり動きが止まる。
このとき、強く押しすぎると次のようなことになる。
1 ゾウリムシが平たくつぶれる。(このような姿でも動いているのは不思議)
2 ゾウリムシがつぶれる(つぶれてしまったらもう観察出来ないのでつぶれない程度に押すことが大切である
プレパラートを動かして、動かないゾウリムシが中央になるようにセッティングする。

レボルバーを回して対物レンズを40倍にする。
絞りを調節して少し暗めにする
よく見ると次の2点が観察出来る。

1 収縮砲の運動・・・水の排出をしています
2 原形質流動・・・ゾウリムシの中のものが動いています。

ゾウリムシの原形質流動
ゾウリムシの収縮砲の運動
映像はIO-DATAのMotionPixで撮影し、ムービーメーカーで編集したものである。
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