身近なものを使った「沸点上昇」の実験
食塩水の濃度が濃くなるほど、沸点は高くなる。これを調べるためには、水の沸点よりも高い液体の中に濃度を変えた食塩水を入れて温め、沸騰する温度を測定する。この実験については「実験で学ぶ化学の世界1」日本化学会 編 丸善株式会社によると沸点290℃のグリセリンの中で行っている。
しかし、グリセリンは試薬として購入すると500gで1600円(2002年12月現在)する薬品である。毎時間、生徒実験後に回収すればよいが、もともと試薬として持ち合わせがないときは、グリセリンのかわりにサラダ油が代用できないかということで、予備実験を行った。
【目的】食塩水は濃度が大きくなるほど沸点が上昇することを沸騰する時間の違いから確かめる。
【器具】
試験管16mm径4本、純水、2mol/l食塩水 4mol/l食塩水 6mol/l食塩水、沸騰石
各試薬の調整法
2mol/l食塩水・・・食塩0.59gに水を加えて5mlにする。
4mol/l食塩水・・・食塩1.18gに水を加えて5mlにする。
6mol/食塩水・・・食塩1.76gに水を加えて5mlにする。(ほとんど飽和溶液に近い)
299mlビーカー、サラダ油、三脚、石綿付き金網
【操作】
1 4本の試験管にそれぞれの濃度の食塩水、沸騰石を入れ、輪ゴムでとめ、割りばしでとってをつける。
2 サラダ油を200mlビーカーに150mlほどいれる。このなかに操作1で作った試験管を入れる。
3 加熱器具をセットし、サラダ油の入ったビーカーを穏やかに加熱する。
4 とってをさゆうにゆらしてサラダ油の熱を全体に行き渡らせる。
5 しばらくすると純水の方に気泡が現れる。
6 純水が沸騰し始め、その後、濃度が薄い順に沸騰する。
【実験の様子(動画)】
下の動画では一番左から純水、2mol/L、4mol/l そして、奥にとけきれないで残っているのが6mol/lである。
左から順に沸騰している。