加速度運動
二学期中間考査がおわって一発目の授業です。
頼むから、テスト返しと思いこんで手ぶらで来ないで欲しい・・・・。
テーマ「力と加速度と質量の関係」
導入:ここに、輪ゴムを10個つないだゴムひもがある。これを一方は机に一
方は台車につけよう。
これを2台用意して2mぐらい引っ張ってみよう。
この引っ張る力のことを張力と言うんだ。
では、同時に手を離してみよう。同時にゴールに達するね。
これは、張力が同じ場合、同じように加速すると言うことが言えるね。
発展:では、片方の台車煮付けるゴムを同じもの、2本にしてみよう。
では同時に引っ張って、離してみるよ。
ゴムひも二本の方が速くゴールに達するね。
これから、張力が大きくなると大きく加速されるんだ。
次に、続いて、ゴムひも一本にして、一方に台車をもう一台載せて引っ張って
みよう。
では同時に引っ張って離してみるよ。
台車が二台の砲は今度はゆっくりになった。
これから、質量が大きくなると小さく加速されると言うことがわかる。
ではここで問題だ。
ゴムひもを二本にし、加速しやすくすると同時に、おもりを乗っけて加速され
にくくした。このようにしたら何もない台車と比べるとどちらが先につくか
な。
やってみよう。
同時についたね。
どうやら、加速度というのは力に比例して、質量に反比例するようだ。
これをVTRでみてみよう。
ハローサイエンス
’89年度版からエアートラックの加速度運動で確認
張力を二倍にすると加速度は二倍
質量を二倍にすると加速度は半分になるのを確認する。
こして、考えられたのが運動の第二法則なんだ。
F
a=――
m
ma=F
ここで、力の単位として「ニュートン」を用いたんだ。これは1kgのものを
1m/s2で加速させる量として定義されたんだ。
でも、わかりづらいから、これ単一電池1個の重さだと思ってくれればいい。
これが1Nの大きさなんだ。
(終わり)
授業が終わって
どっちの台車がどれくらい速いか、これをストップウオッチで測ることも考え
たのですが、測ると結構ややこしいんですよね。
手を離したときにスタートさせて、ゴールしたときまでの時間の比を求めると
運動エネルギーの比になって、速さの二乗の比にしないと加速度の比にならな
くなります。そうなると、運動エネルギーの話をしなくてはならなくなって、
今回の運動の法則を求めるとは焦点がずれるのでやめました。ゴールしたとき
の速さをビースピで測定するというのも同様の理由でやめました。
加速度を目で見るというのは結構難しいです。ビースピ2台使えば速度の諭し
て求められるのでしょうけど、うちには1台しかないので出来ませんでした。
それと、数字で出るよりは直観でみたいと言うこともあり、ビデオを使いま
した。
最近、ビデオを多用しているような気がします。(手抜きか??)
今日は生徒実験をしました。
テーマは「0.5秒で決まる加速度」
方法は以下の通りです。(「新編 物理1B」p49東京書籍から)
-------------------------
滑車------------------|バネばかりを載せた台車|--------記録タイマー
| ↑ ----○---------------○-- ↑
| たこ糸 紙テープ
|
|
○←電池
1 電池を落とすとき、目盛りが小さくなる。←張力は重力より小さいという
のを確かめる
2 電池を1、2個と変えて、同様に紙テープをひく。
3 紙テープは5打点ずつ切り取り、グラフ用紙に張り付ける。(5枚ほ
ど・・・つまり0.5秒間)
4 各紙テープの中央を通るような直線を書く。
5 電池1個のときと電池2個の時で0.5秒の時の速度を比較する。
6 張力の比と速度の比を比べるとほほ同値になる。
と言うのを計画しています。(明日やる予定)
この実験では。つり下げるおもりの重さを二倍にすると加速度は二倍になって
くれません。
重力による加速度運動は使いづらいです。
いくつか問題点があったので報告します。
1 生徒は運動している台車に付けたバネばかりの値を読むことが出来ない。
2 張力が読みとれなかったので、張力と加速度の関係をうまく示せなかっ
た。
3 加速度が直感的に求められなかったので、生徒にとって理解しにくい内容
だった
4 この運動の説明で運動方程式をやるべきかどうか悩んでいる。
(やってもあまり意味がなさそう。文字がいっぱい出てきて生徒はいやだ
ろうし、この問題だけで運動方程式が一般化されて解けるようになると思えな
い)
5 学習指導要領を見ると運動方程式に関することは書いていない。
(と言うことはやらなくてもいいと言うこと?)
しかし、実験をやりっぱなしでフォローなしというのも気がかりだ。
かといって、説明しても前時の内容を覚えていない生徒相手に説明するのも
つらいなあ。やりっぱなしと言うのがいいのかなあ。
運動方程式の扱いに自分なりの解答が出せなかったので、今日はやりませんで
した。
導入:朝8時の天気予報から、「今台風が近づいてきてるね。」
では、どうして、台風の進路は右向きなんだろうか。そして、どうして風が吹
くんだろう。今日はこれを考えてみよう。
発展:昔、プトレマイオスが言った。「もし、地球が回っていたら、ものすご
い速さでものは動いているだろう」
さて、本当にすごいのかな。
ここで、地球の回る速さを考えてみよう。みんなが赤道にいたとしよう。赤道
での地球の半径は6400kmとすると、赤道の長さは40192000mになるね。
1日は86400sだから、秒速で考えると465m/s、何と音よりもはやいんだ。
と言うことはプトレマイオスの説で話をすると、地球が西から東へ動いている
んだから、私がここで1秒ジャンプすると465m先にあるT駅についてしまう
と言うわけなんだ。これは便利だね。でも実際、そんなことやって移動してい
る人はいないね。だから、プトレマイオスは地球は動かないと言ったんだけど
どうだろうか??
実は、地球にいる人は地球と一緒に動いていると考えるといいんだ。これを慣
性って言ったね。この慣性が働いているからなんだ。だから、ジャンプしても
私は秒速465m/sで動いているから、同じ位置に着地するんだ。
でも慣性だからって言ったって地球が回っているなんて信じられないよね。
そこで、フーコーというフランス人は振り子を使ってこれを証明したんだ。
振り子は慣性が働いているから同じ振動面をゆれるんだ。だから、もし、振り
子が動いて見えるとしたら、それは振り子が動いているんではなくて観測者が
動いていると言うことになるんだ。
ここで、回転円盤で説明
つぎに、ビデオ「ハローサイエンス」
’90年度 地球は回る からこれは、慣性という性質で本当は運動している物体は運動し続け、静止してい
る物体は静止し続けているはずなんだけど運動している物体の中から見るとあ
たかもそれが、何かから力を受けているかのような動きになるんだ。この力を
慣性力、コリオリの力っていうんだ。
コリオリの力は地球の北半球では右向きに曲がろうとする力が働いているん
だ。だから、台風の渦や風が生じるんだよ。
(終わり)
授業が終わって
この授業案は「たのしくわかる物理100時間」からです。
地球の自転速度465m/sを出すのに時間がかかりました。クラスの誰も
円周の求め方を知らないんだもの。これには驚いた。去年の生徒は出来たぞ。
毎年、学力が落ちていると実感しました。
慣性力、転向力はベクトルで説明すべきだったんでしょうが、そこまで時間が
ありませんでした。
「地球は緯度によって回転速度が異なる。だから、慣性力が働く」というのが
正しい説明だと思うのですが、「緯度によって速さが異なる」というのは生徒
にとって意味が分かりづらい表現なのでやめました。角速度とか説明しづら
い。
ここに、二台の同じチョロQがある。
これを一方は強くひいて一方は弱くひくよ。
どちらが運動の勢いが大きくなるかな。
手を離す。強くひいた方だね。強くひいた方が速いから運動の勢いが大きいん
だ。ちょっと速さを求めてみると、
ここに、ビースピと呼ばれるものが有るんだ。これで速度を測ってみよう。
速い方は時速3km/h、遅いほうは時速1.5km/hだ。ほぼ半分だね。
(偶然にもそうだった。)
これを秒速にしてみよう。kmをmになおして3600秒で割るんだよね。
(秒速に直す)
次に、ここにトラックの玩具とチョロQがある。これを正面衝突させたらどち
らが勝つだろう。
トラックだね。
チョロQの方が速いはずなのになぜトラックが買ったんだろう。
トラックの重さを求めてみると860g重ある。チョロQは11gある。
つまりいくらはやくても重いものには勝てないんだね。
ではどうしたら勝てるかな。
(「新編物理1B」東京書籍p66)
ここで、力学台車の相撲をやってみよう。相撲は立ち会いが大事なんだ。つま
り、どれだけ、立ち会いに運動の勢いがあるかで決まるんだ。
ではやってみよう。
まず、台車1台同士左右からぶつけよう。真ん中で止まったね。つまり、この
試合はあいこだ。
次に、左にレンガを載せて、右は何も載せないで同じ速さでぶつけよう。
レンガを載せた方が勝ったね。
ではどうすれば、右の台車が勝てるだろう。
そう、右側の台車の速さを大きくすればいいんだ。
やってみる。
実は運動の勢いは速度と質量に比例するんだ。
この運動の勢いを運動量と言って、質量×速度であらわすんだ。速度だから、
向きが関係するんだよ。
これを使って最初のチョロQの運動量を求めてみよう。
次に、運動量というのはどうやって決まるか考えよう。
これは、運動の第二法則から導かれるんだ。
運動の第二法則
ma=F
ここで、加速度は1秒間にどれだけ速度が大きくなったかという量だから
v
a=----
T
これを代入して
v
m―――=F
t
両辺にtをかけて
mv=Ft
つまり、運動量は力を何秒加えたかによって決まるんだ。
このFtを力積っていうんだ。
終わり
授業が終わって
時間が余ってしまいました。
歴史的に見ると運動量、力積から運動の第二法則を求めた。
しかし、教科書も逆に教えています。その方が教えやすいのかな。私も今回は
そうしてしまいました。次にやるときは(そんなときはあるかな)は歴史的な
アプローチで授業をやってみようかなと思います。