盤州干潟リポート
盤州干潟は東京湾に残された残り少ない干潟である。
しかし、この干潟は法的に何の保護措置もとられていない。ここに今、リゾート施設ができその排水問題が浮上している。その現場を訪ねて見ました。
盤州干潟には干潟特有の植物群落が存在する。
左はその一つ、「ハママツナ」
低い草です。しかし、こんな低い草が生きられるのはここが、塩水に使ってしまうから。
普通植物は塩水の中では中の細胞から水が出てしまい、枯れてしまうのです。しかし、この植物にはそれを防ぐ手段を持っています。
左が「ハママツナ」右が普通の「マツナ」
松に似ているのでマツナというらしい。ハママツナが肉厚である。水分を逃がさないためである。
なた、葉をかんで見ると辛い。そう、細胞の塩分濃度も他の植物に比べると高い。これがこの塩水の中で生きる知恵のようである。
これは他の植物にも見られる。「ノバラ」にも違いがある。
葉の大きさが普通のノバラに比べ小さく、葉が厚いクチクラで出来ている。(バラなのでとげもある)
左は普通のノバラ、浜のノバラとすみわけしている。
葉の大きさの違いや硬さが全然違う。
イネか植物もありますが、塩生植物です。
葉に白い筋が目印
干潟にはいろんな種類のカニが住んでいます。
巣穴もいろんな種類があります。巣穴からカニを見分けることが出来ます。
中央にアサリの死骸を見つけたら、そこにどこからともなく巻貝が集まってきて、すぐに食べ尽くします。左上からさらに巻貝が近づいてきています。
この巻貝もすぐにこの仲間に加わるのだった。
2000年8月5日付朝日新聞朝刊(千葉首都圏版)から
この盤州干潟のCOD(化学酸素要求量)は小さい。これは干潟の浄化力によるもの。
この干潟には数多くの底生生物がすんでおり、それを餌にする鳥も多くくる。
すみ分けられた生態系は複雑に入り組んでいるようである。
21世紀に残したい自然である。